俺は、その手紙を握り締めたまま、力が抜けて、座り込んでもうた。
真莉からの手紙を読んでる途中から、涙が止め処なく溢れだした。
急になんで、なんでなん?
別れる理由が、分からへん。
手紙に書いてある、“俺の想い”って、なんやねん?
俺の想いは、いつでも真莉だけやのに…。
書いてある事、意味が分からへん。
大好きやったって…
愛してたって…
俺は、今でも、これからも、真莉を愛してんねん。
俺は、これから、どないしたら、ええんや。
どないしたら…。

俺の頭の中は、真莉の笑顔が離れへんかった。
俺が分かった事は、ただ一つ。
俺が、ひとりになったって事だけは、分かってん。
それ以外の事は,何ひとつ分からないままやった。
しばらく、そばを動けずに居ると、そこへ、晴一ちゃんが、入ってきた。

晴『…健人くん大丈夫かい?』

健『…晴一ちゃん…真莉は?いつ?』

晴『…2週間前くらいだよ』

健『そうか…どこいったか分かる?』

晴『…すまない。僕も、分からないんだよ』

健『…そっか』

晴『…ごめんよ、役に立てなくて』

健『ううん…この手紙、真莉の手紙…
晴一ちゃんが置いたん?』

晴『ああ…真莉ちゃんに引っ越した後、自分の部屋に置いて欲しいって』

健『そうか…ありがとう』

晴『いや…僕は』

健『俺行くわ…じゃあ』

俺は、晴一ちゃんを残し、真莉の部屋を後にした。