“俺からは、まだ、何も言えへん。ホンマにスマン…”

って、頭を下げられて、俺は、それ以上、何も聞けへんかった。
でも、どうやら、真莉は、今、ホンマに携帯、持ってないらしいねん。
それは、翔太くんが、教えてくれてん。

でも、それは、ホンマなんやな~って、思う事があってん。
翔太くんが、由美さんやさくらに電話して、真莉と話してるみたいなんみてんって、慶太から、聞いてんけど…。
なんで、そもそも携帯を持ってないねん。

しかも、急に俺を避け始めてん。
考えても考えても分からへん。
俺もあれから、携帯は、変えてんけどな。
毎日、毎日、あのクソ女から、電話来まくって、イラついて、携帯変えてん!!
せやけど、新しいんのは、メンバーにも教えてあんねん。
もう、何を考えても始まらんから。
とにかく、今、目の前のこの仕事を終わらせれば、東京のマンションに帰れんねん。
そうすれば、ゆうても、真莉たちもツアー中やから、マンションにいつ帰ってくるか、分からんのやけど、どうしても、俺は、真莉に会いたいねん。

それから、数日して、俺は、やっと東京の自宅に帰れる事になって、速攻マンションに向った。
マンションに着くと、取り合えず、真っ先に真莉の部屋に向った。
居らん事の方が、確率的に高いやろうけど、俺は、我慢出来ひんかった。
急いで、真莉の部屋の前に行き、呼び鈴をならしたけど、反応がないんや。
せやから、俺は、自分の部屋に行こうとした時やった。
ドアノブに鞄がひっかり、ドアがスーット開いた。
俺は、恐る恐る、中を覗いた。
そこには、なにひとつ残されていない、ただ広い空間が広がっていた。