【マンション】
俺は、マンションに着くと、すぐに俺らの部屋に向った。
玄関を開け、通常の鍵だけ掛けると、すぐに真莉の部屋に入り、電気を点け、鏡台の下を覗いた。
そこには、キレイな模様が画かれた丸い箱が、あってん。
俺は、それをゆっくりと引っ張り出し、ふたを開けた。

すると、そこには、真莉の携帯が、電源が切れた状態で、入っててん。
俺は、充電器を挿しながら、電源を入れた。
“謎の先生”の言うんが確かなら、メールや。
俺は、メールの受信から、1件1件ゆっくりと確認しっていってん。

その時、ある1件のメール受信を見て、愕然とした。
それは、まさに、俺が見間違えるはずのない奴と、例の女優との行為の最中の画像やった。
俺は、ただただ、呆然とするしかなく、怒りや悲しみなんかの感情も沸いてこんかった。
ただ、これをひとりで、見た時の真莉の事を思うと、やりきれない気持ちで、いっぱいになった。

そして、そのメールの本文を見て、更に俺は、呆然としてん。

『分かったでしょ!
これが、私たちの関係なの!
だから、もう、健人には、近づかないで!
もし、近づいたら、あんなんじゃ、済まないわよ!』

この本文にある内容の“あんなんじゃ、済まないわよ!”ってまさか!
あの、階段から落ちたのは、事故やなくて、大島の仕業やったんか!