~Shogo side~
あの電話を切った後、翔太が大粒の涙を流しながら、携帯を握り締めたまま、動かへんねん。

省『おい!翔太?!どないしたんや?』

龍『翔太?どないしてん?』

慶『…翔太くん?』

健『翔太くん…真莉は?』

マルは、オドオドしてるし、拓斗は、ソファに座ったまま、動かへんし…。
みんなの呼びかけにも返事せえへん。
ただただ、涙を流して、俯いてるだけやねん。

せやから、俺は、翔太の肩を支えて、もう一つのソファに座らせた。
俺は、その隣に座り、背中を優しく撫でながら、翔太に話かけてん。

省『翔太?…ホンマにどないしたんや?』

翔『…』

省『…真莉と話したんやろ?』

翔『…おん』

省『そうか~…。良かったやんか』

翔『あいつ…あいつ…』

龍『翔太!』

健『翔太くん!真莉が、どうしたんですか?!』

俺は、みんなを止めてん、そないしたら、

翔『真莉が…俺どないしたら、ええのんや~』

健『俺…真莉の所に行って来ます!明日、リハまでに戻ってこれれば、大丈夫ですよね?!』

翔『アカン!!健人、行ったら、アカン!!』

健『なんで…翔太くん!なんでですか!』

翔『おまえは、行ったら、アカンねん…』

健『えっ?』

翔『取り合えず…真莉は、今は、家には、居らん』

省『どこいったんや?』

翔『…医者んとこや』

健『医者?…病院やなくてですか?』

翔『あぁ…』

慶『なにが、あったんですか?事故の時のですか?』

拓『…』

翔『すまん…俺、部屋戻るわ』

省『おう…一人で、大丈夫か?』

翔『…ん』

バタン

翔太は、自分の部屋に戻って行きよった。
残されたメンバーは、ただただ無言で、変な沈黙が広がとった。

翔太は、健人を真莉と、会わせん様にしようとしとった。
どないしてん…翔太。
真莉やって、健人に会いたいやろうに…。
ホンマに翔太も真莉も絵里もどないしたんや。

俺は、状況が分からんままやった。
それから、しばらくして、その場に居った全員が、各自の部屋に戻って行ってん。
俺は、その日の夜は、一睡も出来ひんかった。
多分メンバーみんな、そうやったやろうけどな。