【部屋の前】
コンコン

大島『入って』

バタン

健『…』

大島『フフ、なにか飲む?』

健『結構です』

大島『そんな、怖い顔、しないでよ~』

健『…今日、大島さん、夕方頃、どこに居られました?』

大島『なんだか、警察の尋問みた~い!』

健『ふざけないで下さい!どこに居たんですか!』

大島『それ、聞いてどうすんの?』

健『大島さんがやったんですか?』

大島『なにを~』

健『なに惚けとんねん!見た奴やって、居んねんぞ!!』

大島『だから~、なにをよ~』

健『テレビ局の階段から、真莉を突き落としたん、おまえやろ!!』

大島『フフフ、もしそうよって言ったらどうするの?』

健『もう、これ以上仲間を傷付けるのは、止めて下さい!』

大島『それは、無理ね~。神崎くん、この私を怒らせたんだから!』

健『お願いします!
この前の事は、あやまります!
ホンマにすみませんでした!』

大島『頭を下げれば、良いってもんじゃ、ないのよ』

大島は、そう言うと、自分の飲んでいた、飲みかけのワイングラスを傾け、健人の頭にゆっくりと零していった。

健『…』

大島『なんだか、水も滴る良い男って、感じなんじゃない』

健人は、頭を上げ、ワインをかけられた髪の毛をかき上げた。
その髪の毛からは、ワインの雫が垂れたいた。

健『気済みました?』

大島『こんなんで、すむ訳ないじゃない』

健『あんた、なにがのぞみやねん』

大島『もちろん!神崎健人、あなたよ!
私と付き合うなら、手を引いてあげても、良いわよ!』

健『それは無理や、言うたやろ!』

大島『だったら、今すぐ、ここで、私を抱いてくれたら、許して上げるわ、どうするの?!』

健『頭おかしんとちゃうか』

大島『私は至って、普通よ!
私が本気だって事は、もう解ってるんでしょ?
あなたひとりの決断で、みんなを助けられるんだから、良い事なんじゃな~い』

健『1回だけやねんな』

大島『良いわよ。さぁ~、どうするの?』

健『ホンマにもう、二度と手は、出さへんねんな!』

大島『ええ、約束するは、あなたの仲間には、手を出さないわ』

健『解った』