俺らは、あの日から、おばちゃんとの約束を守って、誰一人口にすることなく過してきたんや。
あの日のあの海斗の笑顔を忘れた日は、今まで、1度だってない。

せやけど、あの女は、その俺らの心の中まで、踏み込んで来た。
俺だけやったら、まだしも、真莉にいきなり手を出してきた。
次に何をするか、分からん…。

海斗の話は、たぶん、社長も知らんことや。
せやから、海斗に関わった、全ての人に迷惑をかけられん…。
やって、慶太・マル・拓斗・絵里に海斗を紹介したのは、幼馴染だった、俺と真莉や。
せやから、慶太・マル・拓斗・絵里には、どんな事があっても、迷惑は、かけられん。
あの女が全てを知っているんが本当なら、あいつら4人と真莉・翔太くん・省吾くんも関係してる事は、知ってるはずやねん。
あの女が、ホンマにどこまで、知ってるんかと、これ以上、真莉にも仲間にも手を出さんように言うしかない。
言うて、聞いてくれんかも知らんけど、このままには、しとけん。

俺は、翔太くんと省吾くんと3人で、真莉の病室を後にした後、翔太くんに怪しまれないように1度、マンションに帰ってから、あの女に連絡を取った。
連絡先は、昨日、突然現れた時に無理矢理、渡された紙に書いてあったからや。

せやけど、もしかしたら、翔太くんにはバレるのも時間の問題かもしらん。
俺は、あえて、非通知設定で、電話をかけた。

♪♪♪♪♪…

プチッ
“….もしもし?…神崎くんでしょ”

健『…』