ベランダに、鍵はかかっていた。
気にせず、近くの棒でガラスを割って、中の鍵を空けた。








目の前に、広がっていたのは首吊りをしようとしている女性がいた。
いや、正確に言えば首吊りされそうになっていた。
そのロープはドアノブに引っかかっていて、それを動かすと首が絞まる寸法だ。








「大丈夫ですか?」



「あ、ありがとうございます」




扉を開けると、明さんと宏美さんがいた。




「間に合いました」



「良かったわ、明くん助かったわね」



「警察に連絡して貰えます?」



「もうしたわよ、というか葵くんの知り合いに…ね?」