「それって何時頃ですか?」 「1時間くらい前に此処に来て、この部屋でこのひと見つけたのは、ついさっきよ」 「その時、誰かと会いませんでした?」 「ああ、フード被った男の人が、長身の男の人追いかけてたわよ。後は、知らないわ。もういいわよね。早くエレベーター直してちょうだいよ!」 彼女は、ヒールをコツコツと鳴らして去っていった。 まあ、彼女の話は本当だろう。 とにかく、それよりもエレベーターをどうにかしないと。 きっと、あの中には‘明さん’が居るから。