「あの…」



隣の女の子は、ようやく事の重大さに気付いたようで、戸惑っていた。
雫ちゃんの友達だから、てっきり探偵なのかと思ってたけど、違うのね。





「私は、海野宏美よ」



「雫と同じクラスの古田涼子と言います」



「悠長に話してる場合じゃないわね、ちょっと待ってて」





私は、徐に携帯を取り出した。
葵くんと明くんを呼び出さないとね。







『もしもし、葵くん?』



『どうしましたか?』



『事務所のビルの中のマンションで、死体が見つかったの。早く来て』