呆然とする2人を残して、私は3階に駆け上がった。 誰かに、何かあったかと聞いてみよう。 でも、その必要は無かった。 多くの住人が、廊下に出て話をしていた。 これは、きっと何かあったなと思って、女性に声を掛けた。 「誰かが消えたんですって。死んだはずの人間が消えたって言ってましたよ?」 「それ、何階ですか?」 「5階ですけど?アナタは?」 「2階の者です」 慌てて、再び走り出した。 階段を駆け上りながら、宏美さんに電話をかける。