春岡雫。 彼女は、いいですねぇ。 内に秘める熱い心と、外に魅せる美しさ。 何とも、ミステリアスな香りが漂っていて。 「彼が、本気になりそうですな」 そう呟いて、隣にいる誰かに同意を求めた。 証明の落ちた室内だからか、その人物の人相はおろか、性別すら分からない。 その人物は、小さく頷いていた。 そして、笑みを零した…気がした。 やがて証明はすべて落ち、闇へと堕ちていった。