「それを話して、雫に同情するんですか?それとも、大丈夫だと憐れむんですか?」



雫の兄は、俺ら以上に雫のことを思っている人だった。





「雫が皆さんに気を許してるからこそ、話さないんです。心配かけることを、雫は嫌いますから。それに…雫の苦しみは誰にも取り除けませんよ。僕の両親も、僕もそれを望むのは止めたんです」



「諦めたってのかよ!それでも兄貴なのかよ!」




思わず、声を荒げた。
おかしいだろ?
家族が諦めたら、誰が助けてくれるんだよ。






「そういう正義が、罪悪感を生むんです」



放たれた言葉は、無情だった。
俺は、そこに含まれた本当の真意に気付けなかった。