「私…他の人の心の声が、聞こえるの」 その言葉に、彼は少し驚いたようだったけど、すぐに表情は真剣になっていった。 強盗をしようとしていることを、さっき聞いた全てを話した。 「俺が、警察に言ってくるから」 真っ先に、彼はそう言った。 「でも…証拠はないよ」 「俺の知り合いに、警察官が居るから大丈夫。話してくれて、ありがとう」 何だか、小説に出てくる探偵のようだった。 しかも彼は、探偵がよく似合っていた。 心の声も、同じような感じで裏表ない人のよう。