やっぱり、来ない。
涼子がすっぽかすことは、まずないんだけど…。






仕方なく、携帯で電話をしてみる。
何と、簡単に繋がった。
え…ちょっと拍子抜けした。






『涼子?どこ?』




『ご…ごめんっ!ナンパされちゃいました』



えへ、と可愛く笑う彼女を何故だか憎めない。
これは、ドタキャンというやつだろうか?






『わかったよ…じゃあ帰るからね』



『ごめんっ!今度誘うから…』



『もう誘わなくていい』





涼子の苦笑いが聞こえたが、電話を切った。
外はもう、暗い。
さあ、帰ろう。