【完】『法律探偵事務所』事件file -密室の密室-





「イジメられてんだろ?俺もだよ」



予想とは、違っていた。
私は、彼も心の声が聞こえるのかと、思ったのだ。





「なんでわかったの?」



「悲しい瞳をしてる…からかな」


悲しい…?
初めて言われた。
何だか、この人ならわかってくれる気がした。




「あの…今から話すこと…信じて貰えますか?」



初対面で、しかもこんな子供の話を聞いてくれるか、不安だった。
でも…犯罪を止めなければと、もう1人の自分が言った。




「もちろん、俺は信じるよ。キミなら…信じられそうだから」

優しい声で、話す彼に不覚にも恋をしてしまった。
叶うことのない初恋を。