それは、私が10歳つまり8年前のこと。 その頃私は、人の心が読めると知って、誰彼構わず人の心を覗き見していた。 もちろん、好奇心だけで。 それが、理由でいじめられ一人ぼっちだった私の、唯一の楽しみでもあった。 そんなある日、私はいつものように近くの公園にある大きな木の根元で、近くにいる人の心を覗いていた。 ‘必ず盗んでやる!’ という、声が聞こえてきたのだった。 小さな私にも、理解出来ていた…それが犯罪だと。 それから、その盗みの内容までもが、聞こえてきた。 それは、衝撃だった。