走ったりして疲れたし、腹が減った。

昨夜から何も食べてないし。


そうだ!
乙姫様
が言っていた。

「何か困った時は、この
玉手箱
を開けて下さい」
と。

今、腹が減って困ってる。
ならば此の
玉手箱
から食い物が出て来るのか?


そう思った私は、紐をスルスルッと解いて
玉手箱
を開けてみた。


そしたら何と、中から白い煙りが立ち上がって、みるみる
浦島太郎
の身体を包み込み、
浦島太郎
の身体は
玉手箱
もろとも、煙りと共に宙に消えて行った。



こうして
浦島太郎
の存在と
龍宮城や乙姫様
の本当の秘密は守られた。