その後あたしらは、これからどうやって校内統一を進めて行くか相談した。
もう日が暮れてからだいぶ経ち、帰ろうとなったとき、シュウが送ってくれると言った。
あたしは、わざわざ良いよ、と言ったんだけど、こんな日でもあるので結局送ってくれることになった。
二人であたしの家までの道を歩く。
少しあたしがボーッとしていたとき、シュウが不意に口を開いた。
「お前さぁ、…恋してんべ?」
…え、嘘?
なんで分かるの?
「し、してないよ、…。」
そう言ったあたしに向かって次にシュウが出した言葉にあたしは、驚いた。
─「してるだろ、裏番に、。」
…え、嘘?
「俺、見たんだよ、。お前が公園であいつと抱き合っていたのを。あんときのお前は、嫌がったような顔してたけど、少し、照れてた。お前のあんな顔見たことが無かった。俺は直感で気付いた、。お前の、あいつへの気持ちに。そして今日、お前が連れ込まれた男子トイレに行ってみたら、あの男が居た。すげぇ、俺も、びっくりした。あいつが裏番だったんだな、…。」
全部、知ってたんだ、…。
「お前、あんなことがあっても、まだ、あいつが好きなのか?」
好きじゃないよ、好きなわけないよ、…。
「べ、別に好きじゃない、。」
あ、困ったときの、『別に』。
前にリュウに気付かれたっけなぁ、…。
って、こんなこと思い出しちゃダメだ。
「それなら良いんだけど、…。本当に、あんなヤバい奴やめとけ。」
『あんなヤバい奴』か、。
あたしはリュウを好きでいてはいけないのかな…。
そう考えていたとき、気付けば、あたしの右手がシュウの左手に包まれていた。

