ガラッ。 男子トイレのドアが大きく開いた。 そして、入って来たのは、 みんなではなく、 ──汗だくの、リュウだった。 「リュウジさん!」 子分的な奴らが口々に言う。 どうして、リュウが? リュウジって、リュウのこと? リュウが裏番の正体? 今自分が置かれている身も忘れ、あたしはパニック状態に陥っていた。 「リュウ…。」 あたしは小声で呟いていた。