アズサ。 ある夜出会った日から俺はあいつのことを考えてばかりだった。 ああやって大人びていて、冷めた表情をするあいつが時々見せる寂しそうな顔。 あと少しで死ぬ。 そんな現実を知りつつも強気でいるあいつが感じているやりきれない気持ち。 時折見せるあいつの空いた部分。 俺があいつを守ってやりたい、そう思っていた。 てか、あいつに惚れていた。 でも俺はなかなか思うようにあいつに想いを伝えられずにいた。 ──そんな、ある日。