ドタドタと廊下を走るスギウラサトルらの足音がここまで聞こえてくる。
次にスギウラサトルの声が聞こえてきた。
電話をしているようだった。
「もしもしリュウジ?」
──リュウジ。
あたしはリュウという響きに反応してしまったけど、リュウでは無かった。
「ちょっと来てくんね?」
「もう俺キレそう。ってかヤバい。」
「アズサって奴。」
あたしの名前だ。
「だから、もう無理。いくらお前の頼みでも、…まじで気が済まねぇ。俺のあの秘密がバレちまって…。」
『いくらお前の頼みでも…』この表現から考えると、リュウジって奴は権力があるのか?
もしや、リュウジって奴が、裏番……?

