「馬鹿か。」
「は?」
「お前、馬鹿だろ。」
「は…い…?」
「黙ってろ。」
ヤバい、めっちゃドキドキしてる。
鼓動が聞こしまいそうなくらい。
でもすごい安心する、…
って、ダメだろ!
でも、拒否できない、のはなんで?
リュウ、……。
って、マジ、こんなことしてらんないや!
「ちょ、は、離し、て…。」
「あ、わりぃ。」
リュウはあたしをじっと見つめる。
や、ばい。
ドキドキが、ヤバい。
今、あたし、絶対顔真っ赤だよッ!
なのに、リュウは表情一つ変えない。
なんか、あたし、初な女みたいじゃん!
まじ悔しいんだけど!
…でも、リュウの顔を直視できない。
「お前さ、どんだけ顔赤いの。」
「ッ、は?べ、別に!」
「そーすか。」
「てか!リュウこそ突然何!キモいし!!」
「マジごめんって。」
もう、なんか、調子狂う。
突然素っ気なくなったり、突然優しくなったり…。
あたしのペースが乱される。
「せっかくゆったりしようと思って公園に来たのに!帰る!」
あたしはすぐにリュウに背を向け、スタスタと歩き出した。
あたしとリュウの間に随分と距離が出来たとき、
「あんま、無理すんなよ?」
リュウが言った。
「え、?う、うん。」
上手く返事ができなかった。
後になって思う。
もう既に、この時から始まっていたのだと。

