何時間経っただろうか。

ただ聞いているだけでも盛り上がりすぎて、あたしの額は汗ばんていた。





「じゃあ、これが最後の一曲~!!リュウのソロナンバー!!」









アコスティックギターのゆるやかなメロディがリュウにだけ当たったスポットライトの辺りから響き出す。


バラードだった。




リュウの、優しいくて、甘くて、だけど、どこか切ない歌声がそれに調和する。











あたしは心を奪われた。


今まで跳ねて、騒いで、盛り上がっていた人達も一気に静かになり、そのムードに浸っていた。














その曲が終わると、みんなが「リュウ~!!」と叫んだ。







「みんな、今日はありがとう!」




バンドのメンバー全員がマイクに向かって叫んだ。











その会場は歓喜に溢れていた。