キミガイタ120日



──♪♪♪




エレクトーンのテンポの良いメロディが真っ暗なステージの上に響く。


その音はだんだんと、強くなって、だんだんと、速くなって…。




時期に、ドラムが加わり、ベースが加わり、ギターが加わり、サックスが加わり…。





そして、ボーカルが加わろうと息を吸った瞬間、…








──ステージのライトが、パッと付いた。




その瞬間、会場みんなが手拍子を始めて、キャーキャーと声を上げ始めて、…。







みんながビートに合わせて跳ねる。


そして、あちこちから聞こえる声。


みんながステージ上の人達の名前を呼ぶ。


中でも、「リュウ~!!」って名前は飽きるほど聞こえて来た。







ギター片手にマイクに息を吹き込む、リュウ。


そう、ギター兼ボーカル。







格好良い。

なんか、すごく、すごく、格好良い。

相変わらずサングラスは外さないけど、無愛想で、ウザくて、今まであたしが見たリュウとは、全然違った。


てか、別人だった。





次第にあたしの鼓動もだんだんと高まり、気付けば跳びはねながら、ノリノリだった。