キミガイタ120日



でも、そんな心配、必要なかった。




階段を降りたそこに広がる、大きなホール。



学校の教室の5倍くらいはあるだろうか。




その一番奥にはステージがあり、スポットライトが照っていた。






「すごい…。」





「じゃあ俺、別室で音合わせするからその辺に居て。」



「そ、その辺って…!?」










よく分からないけど、おいてけぼりをくらったあたし。




周りを見渡しても人一人居ない、



と思ったけど居た。








隅っこのカウンターのようなところでタバコを吸っている、おじさん。


金髪に、アロハシャツで、…。


なんとも怪しい人(笑)





ここのオーナーかなんかだろうか?


とりあえずあたしは声を掛けてみることにした。






「あ、あのぉ~…?」




「君だれ?」



君だれって…。





「え?」





「まぁいいや。俺はここのオーナー。君、リュウの彼女?」




「彼女なワケないです。」


あたしがリュウの彼女なんて、…


まず、ない。



「そっか。リュウが女連れてくるなんて初めてだからてっきりそうかと…。」




初めてなんだ。

意外と色んな女連れ込んでそうだけどね。



「アハハ…。」


とりあえず、笑っとこ(笑)




「じゃあ、仕事、仕事。言っとくけど、今日はリュウ達のライブ10時からだから。リュウ達はすごいよ。朝っぱらからだろうと、深夜だろうと、かなりの客集めるから。今日もかなり来るだろうから、覚悟しとけよ。」



「は、はい…。」






そんなにすごいんだぁ。



てか一体リュウは何者なんだ?