───そんな時だった。 気付けばあたしの座っていたベンチのすぐ側にあるブランコの上に一人の男が座っていた。 男はギターを持っていた。 そして、弾き始めた。 私はその音色に聞き入ってしまった。 なんとも綺麗で、でもどこか切なくて。 表現のしようのない音色だった。