「葵!」
神野家に飛び込むなり
俺は葵の名を呼んだ。
「何よいきなり?」
眉をひそめる茜をすり抜け
「葵!」
キッチンを覗きその姿を探す。
「葵なら帰ってないけど?」
背中で聞いた声を聞き流し階上を見上げ階段に向かった。
「ちょっとシカト?」
それを阻止すべく
茜が立ち塞がった。
「っせぇな…邪魔すんな!」
一瞬怯んだ茜の隙を突こうと
足を踏み出すがそれより速く
茜が両手を広げた。
「ダメよ!通さないわ!」
茜の態度に苛ついた俺は
感情のままに睨み付けた。
「葵の靴あんだろ!
くだらねぇ嘘吐いてんじゃねえ」
茜は息を飲み込み
全身を固くさせるが。
「絶対に通さない…。
葵を傷付ける人は近付けない」
震える声で気丈に振る舞う姿が
過去の残像とリンクする。
いつ…どこで…誰が…。
つい最近のことなのか?
遠い昔だっただろうか?
子供の頃か?
いや…、
もっと前…?
『絶対に通さない…』
震える声で言ったのは誰だ?
『通さない…』
全身を硬直させ身を呈したのは?
『通さない…通…ない』
頭の中で何度も繰り返し呟く。
ニュアンスで覚えてはいるが
言葉が違うのか?
神野家に飛び込むなり
俺は葵の名を呼んだ。
「何よいきなり?」
眉をひそめる茜をすり抜け
「葵!」
キッチンを覗きその姿を探す。
「葵なら帰ってないけど?」
背中で聞いた声を聞き流し階上を見上げ階段に向かった。
「ちょっとシカト?」
それを阻止すべく
茜が立ち塞がった。
「っせぇな…邪魔すんな!」
一瞬怯んだ茜の隙を突こうと
足を踏み出すがそれより速く
茜が両手を広げた。
「ダメよ!通さないわ!」
茜の態度に苛ついた俺は
感情のままに睨み付けた。
「葵の靴あんだろ!
くだらねぇ嘘吐いてんじゃねえ」
茜は息を飲み込み
全身を固くさせるが。
「絶対に通さない…。
葵を傷付ける人は近付けない」
震える声で気丈に振る舞う姿が
過去の残像とリンクする。
いつ…どこで…誰が…。
つい最近のことなのか?
遠い昔だっただろうか?
子供の頃か?
いや…、
もっと前…?
『絶対に通さない…』
震える声で言ったのは誰だ?
『通さない…』
全身を硬直させ身を呈したのは?
『通さない…通…ない』
頭の中で何度も繰り返し呟く。
ニュアンスで覚えてはいるが
言葉が違うのか?


