俺に女が出来ることで、
相手にされなくなるって
寂しさから逃れるために

俺の行動次第で、
馬鹿なヤローに
付いてくことになんなら…

「なぁ、葵…
俺、お前の幼馴染み止めるわ」

俺の本音を吐き出した。

「冗談?」

開ききった瞳で、
真っ直ぐ俺を見つめる葵に
俺も逃げたりしなかった。

「マジにもう疲れたわ…」

これが俺の本音だから。

小学生の色気付いたガキの頃から

ずっと隠し続けてた本音だから。

「ヤだ…」

やっと泣き止んだのに、

枯れることなんてねぇんだろうな

大粒の涙が瞬きの度に、
溢れ落ちていく。

俺はもう、
その涙を拭うことはしない。

選ぶのは葵だ。

葵の頭に軽く手を乗せる。

「危ねぇから…真っ直ぐ家帰れよ
それと茜から直接聞くまでは、
信用すんじゃねぇぞ?」

その場に立ち尽くしてる
葵を一人残すのは心配で
後ろ髪引かれるって思いで
その場を去った。

…つもり。

だけどやっぱ心配で…。

葵に見付からねぇ様に、

安全な場所に出たことを
確認するまで見守っていた。

若干…ストーカーの気持ちを
理解してしまいそうになる。

自分に寒気がした。

女が出来る出来ないは、
問題じゃねぇしな…。

俺が告られる度に不安にさせて、
ビビらせるぐらいなら…。

初めから関係を絶っちまえばいい

そんで俺は…、

長年抱え続けた、

絡み付く柵によって…

呪縛を受け続ける、

熱情を解き放つ。