「龍人君、阿南の事お願いしますね。



私は先に車にいますから、


あ、これは今まで阿南がお世話になったお礼です。」



母は現金の入った封筒をテーブルに置き出て行った。



祐介がその封筒を床に叩きつけた。




私はその封筒を拾い、母の失礼を詫びた。




「祐介ごめんなさい。あんな母でも私には捨てられない。


許してほしい。祐介早く私の事なんか忘れて幸せになってね。」




祐介が私を抱き締めた。




『阿南、俺は諦めないよ。どんな事しても必ず阿南を迎えに行く。



だから、阿南も諦めないで俺が迎えに行くまで待っていてほしい。



このままで俺は終わらない。村上に阿南をやる訳いはいかないんだよ。』