「そんなのはそっちの勝手でしょ。



私の親父は三浦大輔ただ一人。



偉い政治家さんなんて私知らないから。



悪いけどその人に無理って断って置いて!」




母がいきなり私の頬を叩いた。




『止めて下さい、阿南に手を上げるのは。



あなたはいつもそうやって、言う事聞かない阿南を叩いていましたね。



あなたは阿南が可愛くないんですか?



阿南の幸せを考えた事はないんですか?』




祐介ありがとう。




「母さん、あなたに叩かれても、もうあなたの言う事は聞かないから。」




母が笑いだした。




『阿南、あなたはもうここにはいられないのよ。』




どういう意味?




弁護士が話出した。




「阿南さんはまだ松田阿南のままでしたから、



結子さんが田邊の籍に入った時、阿南さんは孝蔵氏と養子の手続きを済ませております。



阿南は田邊氏の娘になった訳ですから、



ここにはもういられないかと思います。」




嘘。




親父も祐介も黙ったままだ。