祐介なんとか言ってくれよ。




何でみんな黙っているんだよ。




何でなんだ何で今頃私の前に現れるんだ。




私がどれだけ母が、迎えに来てくれるのを待ったことか。




一年過ぎ、二年過ぎ、五年過ぎ時私は諦めた。




母親とはこっちから縁を切ってやる。




「親父、考える時間なんていらない。



私はここにいる。



祐介も啓介も、良介も恭介も私にとって家族なんだよ。」




体がガタガタ震えて来た。



祐介が無言で抱き締めてくれた。




「親父、阿南はここにいたいって言ってるんだから、


親父から、阿南の母親に話をしてくれよ。



俺たちも阿南を手離すつもりはない。」




『祐介、おまえたちの気持ちは分かった。



だが阿南の母親が納得するかだな。』