親父から話を聞かされた。



《もし、阿南の母親が戻って来た時、阿南はよその子供になっていたら、



母親が辛いだろうからと、阿南を三浦の籍に入れるのを止めた。》




俺たちも親父の意見に賛成した。




俺たちも阿南と兄妹になるのが嫌だったから。




結局阿南の母親は迎えに来なかった。




俺たちにとってもその方が良かった。




『こうなった今では、母親が現れても、阿南は渡さねぇけど。』




あいつらには、阿南に気付かれないようにしろ!




と言ってあるにも関わらず、毎日阿南を構ってばかりいる、



三人のバカ野郎ども。




あれだけ約束したのに。