あいつのせいですっかり遅くなってしまった。




お腹が空いてフラフラする。



私は親父の会社に寄った。



あ、祐介がいた。




「祐介腹減った。」




『阿南弁当どうした?』




「まだ、ねぇ話聞いてよ。今度の担任鬼みたいな奴なんだ。



この阿南様に教官室の掃除させたり、



学級委員押し付けたりしてさ、村上龍人最低。」




『阿南、もう一回担任の名前言ってみろよ。』




「もう一回、村上龍人だよ。」




祐介が嬉しそうに笑う。




『阿南、龍人だよ。阿南が大好きだった、りゅうちゃんだよ。』




私の好きなりゅうちゃん?



あ、思いだした、祐介の友達だった、りゅうちゃん。



私の初恋。




嘘、ヤだ、絶対認めたくない。




あの頃のりゅうちゃん凄く可愛い顔してたよね。