「ナツ~、十八番!」
いつの間にか流れていた音楽であたしの横にいる男がマイク片手に立ち上がる。
ふう、と思わず出た安心のため息。
周りのみんなが手拍子して盛り上がり、「ナツ」と呼ばれた男子はノリノリで歌っていた。
・・・十八番っていうだけあるかも。
彼は案外、歌が上手い。
優しい音楽に彼の低い声がよく混じっていいハーモニーでついそのまま聞いてしまっていた。
彼が歌い終わって気がついたらもう時計の針は6時をさしていて。
『あっ!あたし、もう帰る!!』
「え、紗代もう?」
女子の中からの声にあたしは「うん」と言って鞄を持って部屋を後にした。
部屋を出るとき背中に「待って」と声がしたけど急いでいたあたしの耳には届かなかった。
――。
まこちゃん家の近所のスーパー。
まこちゃんが大学生になってあたしが夕食を作るようになってからすっかり常連になっていた。
今日は、鍋にしようかな。
冬で寒いし、温かいのがいいよね。
いつの間にか流れていた音楽であたしの横にいる男がマイク片手に立ち上がる。
ふう、と思わず出た安心のため息。
周りのみんなが手拍子して盛り上がり、「ナツ」と呼ばれた男子はノリノリで歌っていた。
・・・十八番っていうだけあるかも。
彼は案外、歌が上手い。
優しい音楽に彼の低い声がよく混じっていいハーモニーでついそのまま聞いてしまっていた。
彼が歌い終わって気がついたらもう時計の針は6時をさしていて。
『あっ!あたし、もう帰る!!』
「え、紗代もう?」
女子の中からの声にあたしは「うん」と言って鞄を持って部屋を後にした。
部屋を出るとき背中に「待って」と声がしたけど急いでいたあたしの耳には届かなかった。
――。
まこちゃん家の近所のスーパー。
まこちゃんが大学生になってあたしが夕食を作るようになってからすっかり常連になっていた。
今日は、鍋にしようかな。
冬で寒いし、温かいのがいいよね。

