【短】愛鍵。

『はあ』


「じゃあもしかして合鍵とか持ってたり？」


『うん』


「見して見して!」


子供みたいな無邪気な笑顔の彼にあたしはポケットから大事な合鍵を取り出し、渡した。


彼は珍しいものを見るかのようにその鍵を見ている。


「すげ～、本当に彼氏いるんだ」


『うん』


「俺さ紗代ちゃんタイプなんだけどな～」


･･･!?

いきなり出てきた言葉に内心焦ったけど平然を装う。


「ねえ、1回俺と遊ばない？」


『は!?』


何、この人。


「ね？1回だけでいいからさ!そしたらあきらめるよ、紗代ちゃんのこと」


『やだ。諦めるも諦めないもご勝手にどうぞ』


「なんだよ、冷たいな～」