「は~君。この人だれぇ???彼女いないんでしょぉ~?」
横の人が喋った。
春にベッタリくっついて、甘い声で。
何この人。
あたしが彼女でしょ?
春。
「春・・・・・・この人誰?」
もう1回聞いた。
春のことを信じて。
横にいた文香は私の手を握ってくれた。
「私は、~君の彼女だけどぉ。あんたこそだれぇ??
は~君のこと慣れ慣れしく呼ばないでくれない~???」
そんな・・・・・・。
嘘だよね?春・・・・・。
私が彼女でしょ?
私だけが彼女じゃないの?
「ごめん・・・・・結胡・・・・・俺・・・・。」
嘘だと言って欲しかった。
春のとても弱弱しい声を聞いたら涙がでた。
冗談でもいいから、俺の彼女は結胡だよ。
といって欲しかった。
これはいけないことなのかな?
我儘なことなの?
「酷い・・・・・ひどいよ・・・・春のこと信じてたのに・・・・・・。」
それだけ言うと店から飛び出した。
こんな酷い顔、みんなに見られたくない。
走っている途中に春が私を呼ぶ声が聞こえたような気がしたけど、
私は無我夢中で走り続けた。
そしてたどりついた所は、よく文香と来る公園だった。
入り口の横にあるベンチに腰掛けた。
・・・・・だめだ・・・・・・涙とまらないよ・・・・。
すると、前の砂場から小さな男の子がやってきた。
「お姉ちゃんどうしたの?お腹痛いの?大丈夫??」
と、声をかけてくれた。
「ううん。どこもいたくないよ。ありがとう。」
よかったねっ!
と言い残して、男の子は再び砂場に戻った。
どうしよう。どうすればいいの?
余計涙が出てきた。
春との思い出がフラッシュバックされて、とても胸が痛くなる。
