結胡ver

次の朝、学校に行く。

またいつもと変わらない景色。人間。空。
面白くない。
いつからだろう。
色が鮮やかだった風景が、急にモノクロの世界に変わってしまった。
クラスではみんなが話しをしていてとてもうるさいのに。


面白くない。

楽しくない。

つまらない。


なにをしても、どこにいっても楽しくない。
私の心の隙間が埋まらない。

こんなくらいことを考えていないで、文香の所に遊びに行こうと思って教室をでた。


すると、突然後ろから呼び止められた。

「あの、白石・・・結胡さんですか?」

誰だろう。
知らない人。
先輩・・・・かな?

「そうですけど・・・だれですか?」

「あ、ごめんね♪俺は3年5組の石崎晃だよ☆」

先輩は笑顔でそう答えた。
3-5の石崎晃・・・どこかで聞いた名前・・・
それより、3年生の先輩が1年生の私になんの用だろ

「あの、先輩なんですか?私これから音楽で移動授業なんですけど・・・」

時間無いから、早くして欲しいなぁ・・・

「あっごめんっ!あのさ、実は俺と付き合って欲しいんだ!!」

「は?」

あまりにも意外な返事で吃驚した。
それに、私は付き合えない。

「ぁ、あの、先輩。気持ちは嬉しいんですけど、私は付き合えません。ごめんなさい。」

「えっ??なんで?」

「・・・・・・・・・っごめんなさい」

全速力で音楽室へと走っていった。

できれば一番聞かれたくない質問だった。
私にはとても辛い過去がある。
思い出しただけで吐いてしまいそう。