だんだん空が暗くなってきた。
どのくらい時間がたったのかなぁ。

「先輩?もう夜ですよ!?」

「もう着いたよ♪」

そういって自転車を停めた。
目の前には大きな木があった。

「先輩?着いたって、木・・・・・?」

「上!!」

上をみると、絵本に出てきそうな可愛いツリーハウスがあった。
暗くてよく見えないけど、赤い屋根をしたツリーハウス。
木の反対側に階段があった。

「凄い!!このツリーハウス、先輩のですか!?」

「うん。絵本に出てきそうだろ?自分で作ったんだ♪」

「え!?これ、造ったんですか????」

私に向かって、先輩はピースをとした。

「じゃあ中に入る??」

「入ります!!」

私達は木の反対側まで行って階段を上った。
14段くらい上ると、ツリーハウスの扉が目にはいった。
先輩が開けて、入って。といったのでなかにはいった。
中はとてもシンプルで、ベッドとノートパソコンと天体望遠鏡があった。
天体望遠鏡・・・・・・?

「これも、先輩のですか?」

「そうだよ。15歳のときに父さんからもらったんだ。今日は、結胡ちゃんに
これで星をみせてあげたかったんだ♪」

とても笑顔でいってくれて、凄く嬉しかった。
人の優しさはこんなに暖かい物だと、改めて実感できた。

「じゃあ、見る?」

「はい!見ます!」

2人で毛布をもってデッキにでた。

結構山奥まで来たので、とても星がキラキラしていて、とても綺麗。
真っ暗な濃紺の空に、青や赤、黄色の星がキラキラと輝いている。
この空を望遠鏡でみるとおもうと、とても楽しみ・・・。