「でもな……」


「でも?」


「一旦、家に帰った方がいいと思うんだ」


「えっ?」



穂乃ちゃんは目を見開き、俺を見た。


思考回路が止まったかのように動かない穂乃ちゃん。


よっぽど家に帰りたくないんだろう……。


でも、やっぱり黙ったままここに置いとくわけにはいかない。



「あのね……穂乃ちゃん……。俺が一緒に行くから……。俺は外で待ってるから、もし嫌なら俺のとこに逃げてくればいい」



俺は穂乃ちゃんの頭を優しく撫でながら言った。



「…………うん」



穂乃ちゃんは小さく頷いた。