マンションに帰って来た。
リビングのソファーに並んで座る。
お互い無言のまま……。
穂乃ちゃんをこのままここに置いてていいのか……。
いくら親に必要とされてないと言っても、2日も連絡しないで娘が家を空けてたら、どんな親でも心配するんじゃないだろうか……。
「穂乃ちゃん……あのさ……」
「いやっ!」
穂乃ちゃんがそう言って、俺の腕を掴んできた。
「穂乃ちゃん?」
「いや……帰りたくない……」
俺の腕を掴み、俯いて首を左右に振りながら泣くように訴える穂乃ちゃん。
「わかった……」
俺は穂乃ちゃんの背中を擦りながら言った。
「咲哉さん……」
目に涙をいっぱい溜めた穂乃ちゃんが顔を上げた。