「そんなことないよ……」



穂乃ちゃんを抱きしめたまま、耳元でそう囁いた。



「咲哉さん……」


「穂乃ちゃん……好きになってくれて、ありがとう……」



俺は更に穂乃ちゃんを強くギュッと抱きしめた。


どんな理由でもいい。


時間なんて関係ない。


キミから好きと言ってもらえただけで嬉しいんだ。



「穂乃ちゃん……好きだよ……」


「私も……」



穂乃ちゃんの体をそっと離して、見つめ合い、唇を重ね合う。


深い深いキス。


静かなリビングの中に、舌を絡め合う音と、吐息が混ざり合う音が響いていた。