部屋の中に入る。
オレンジ色の淡い光が灯る部屋の中。
俺はベッドに腰掛けた。
「咲哉さん……何で?」
俺の前に立った穂乃ちゃん。
俺はスーツのポケットから財布を取り出して、財布の中から5万円出した。
「はい、これ……」
穂乃ちゃんに5万円差し出す。
「えっ?」
目を見開いて俺を見る穂乃ちゃん。
「俺が……キミの体を買うよ…。ボランティアでセックスはしないんだろ?だから…はい、5万円」
「でも……」
目を逸らして、金を受け取ろうとしない穂乃ちゃん。
「どうして受け取らないの?」
「…………」
何も言わない代わりに、穂乃ちゃんは目から大粒の涙をポロポロ流した。
俺は穂乃ちゃんの手を握った。
そして穂乃ちゃんの体を自分の方へ引き寄せた。
俺の胸に飛び込む穂乃ちゃんの体。
穂乃ちゃんの華奢な体を壊れるくらいギュッと抱きしめた。