車も人もいないとは言え、住宅街の中を走ってるから車をゆっくり走らせる。
国道にいた時にはイライラしてたのに、今もゆっくり走ってるのに不思議とイライラは解消されていた。
住宅街の中にある小さな公園の前を通ろうとした時――。
ん?
ベンチに座っている人がいた。
幽霊?
まさかな……。
どしゃ降りの雨の中、傘も差さずにベンチに座ってる。
車を更にゆっくり走らせた。
えっ……。
あれは………。
嘘だろ…………。
見覚えのある制服を着ている。
傘も差さずにベンチに座ってる人は……。
彼女だったんだ――。
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