「お前には、ずっと黙ってたんだけど……実はな……」
俺は瑞樹に自分の生い立ちを包み隠さず全て話した。
全て話し終えた後、瑞樹は「そっか。話してくれてありがとな」と言ったきり何も聞いて来なかった。
「穂乃ちゃんは結婚式はしなくていいって言ったんだけど、俺は穂乃ちゃんにウェディングドレスを着させてやりたいと思ってさ。でも今からじゃ式場は予約できないし、それで施設の園長先生に相談したら、場所を提供してくれたんだ」
「それで、この児童養護施設に来てくれってわけか……」
瑞樹は地図を指差しながらそう言った。
「あぁ。そういうこと。穂乃ちゃんには内緒なんだけどな」
「サプライズ?」
「そういうこと。ドレスもレンタルして、指輪も買って、もう向こうに送ってるんだ。当日は墓参りに行くって、連れ出そうと思ってる」
「そっか。明後日、楽しみにしてるよ」
瑞樹が俺の肩を軽く叩きながら言った。
「宜しく頼むな」
「あぁ」
良かった。
瑞樹に話したことによって、俺の中でモヤモヤしていたものがなくなったような気がした。
俺は書類などを鞄に入れて、帰る用意をした。



