「早かったんだね」
俺はコートを脱ぎながらそう言った。
「うん。皆、夜は彼氏や家族と約束があったみたいで、早めに解散したの。今は携帯があるから、いつでも連絡出来るしね。"バイバイまたね~"って、アッサリした別れだったよ」
穂乃ちゃんはキッチンでコーヒーをいれながらそう言った。
「そっか。俺が学生の頃は携帯なんでなかったから、卒業してから疎遠になった友達もいるよ。今は便利な世の中になったなぁ……」
「ホントにね。携帯のある時代に生まれて良かった」
穂乃ちゃんがクスッと笑った。
「楽しかった?」
「うん。楽しかったよ」
「そっか、良かったな」
「うん」
穂乃ちゃんは笑顔で返事をして、コーヒーの入ったマグカップを持って、リビングに来た。



