「苦しめるとか、迷惑とか……俺はそんなこと思ってない……。ただ、穂乃ちゃんと一緒にいたいだけなんだ……」
「咲哉さん……」
「頼む……俺を1人にしないでくれ……。俺の傍にいてくれ……頼むから……」
だからもう……出て行くなんて言わないでくれ……。
俺は穂乃ちゃんがいないとダメなんだ……。
穂乃ちゃんがいないと生きていけないんだよ……。
だから――。
俺はズルズルと床に倒れ込んだ。
穂乃ちゃんの両腕を掴んで、顔を上げる。
俺を見下ろす穂乃ちゃん。
「穂乃ちゃん……俺を1人にしないで……」
「咲哉さん……」
穂乃ちゃんが俺の頭を優しくそっと包み込む。
情けないな……。
男のくせに泣くなんて情けないな……。



