結局、一睡も出来ないまま夜が明けた。 閉められたカーテンを開けると、外は雨が降っている。 曇り空から降り続く雨は、まるで今の俺の心の中と同じだ。 "ガチャ" リビングのドアが開く音がした。 開けられたリビングのドアの傍に穂乃ちゃんが立っていた。 目が真っ赤に腫れている。 穂乃ちゃんも一睡もしてないのか? 「穂乃ちゃん……」 名前を呼んだだけで、その後の言葉が続かない……。 何て言葉をかけていいのかわからなかった。