「咲哉さん……」
「ん?」
「1人にして……」
俺と目も合わせず、床を見つめたまま静かに言った。
「…………わかった」
俺はそう言って、寝室を出た。
そしてリビングに行き、うなだれるようにソファーに座った。
穂乃ちゃんと初めてケンカをした。
いや……ケンカと言うよりは、俺の行動に穂乃ちゃんが怒ったと言った方が正しい。
俺は何てことしたんだ……。
穂乃ちゃんの気持ちも考えずに嘘をついて、俺のとった行動で、穂乃ちゃんを傷つけてしまった。
生い立ちは違っても、家族のことでの辛い気持ちは痛いほどわかってるのに……。
いや……わかってるだけだったのかもしれない。
はぁ……。
俺は頭を抱えた。
どうしたらいい?
どうしたらいいんだ……。