食後――。
穂乃ちゃんとリビングでくつろいでいた。
「咲哉さん?」
「ん?」
「聞いていい?」
「いいよ」
「どこに行って来たの?」
「えっ?」
思わずそう声が出た。
穂乃ちゃんに本当のことを話すべきなのか……。
それとも、このまま他の理由を言って、ごまかすべきなのか……。
穂乃ちゃんにとって、どっちがいいんだ……。
「咲哉……さん?」
「………ん?」
「私には……言えないとか?」
「そんなことないよ」
俺は微笑んで、穂乃ちゃんの頭を撫でた。
「学校で瑞樹の手伝いしてたんだ……」
咄嗟に口から出た嘘。
「そうなんだぁ」
「あぁ。俺、風呂に入って来るな。一緒に入る?」
「あ、ううん。私は後でいいよ」
「そっか……」
俺はリビングを出た。
俺の嘘を穂乃ちゃんが信じたかどうかわからない。
でも、これで良かったんだ……。