「ただいま」



玄関を開けて、中に向かって言った。



「おかえり~」



パタパタと音をさせて走って来る穂乃ちゃん。


帰ったら電気がついてて、愛しい人が笑顔で出迎えてくれる。


幸せを感じる瞬間。



「ケーキ買って来たよ。後で一緒に食べよ?」



穂乃ちゃんにケーキの箱を渡す。



「ありがとう」



笑顔で箱を受け取る穂乃ちゃん。



「ご飯、出来てるよ」


「穂乃ちゃんは食べた?」


「ううん。一緒に食べようと思って待ってた」


「そっか」



俺は穂乃ちゃんの頭を撫でた。



「先に着替えたら?その間に用意しとくから」


「じゃー……そうする」


「うん」



俺は寝室に入り、穂乃ちゃんはケーキの箱を持って、リビングに入った。